このエントリはiOSDC Advent Calendar 2016の9日目のエントリです。
今日からは技術カンファレンスに欠かせないノベルティのお話です。
今日はその中でも象徴的なTシャツのお話。
iOSDC Japan 2016ではパーカーも作ったのでそのお話もあわせて。
iOSDC Japan 2016ではTシャツを732枚、パーカーを127枚製作しました。
どちらもネットでショップを探してボディ(印刷されていないTシャツやパーカー)を購入してプリントもお願いしました。
Tシャツの製作では実は考えることはあまりありません。
ボディの選択
まずは印刷されていないTシャツであるボディの選択です。
これ、実はそんなに選択肢は無くて、どのショップで買ってもメーカーはいくつかしかありません。
(大抵、PrintstarとかUnited Athleとかdeslawearでしょう。)
そして、何を基準に選ぶと良いかというと、厚さです。
薄いものは安いのですが、あまり薄いものにすると透けて重ね着必須になってしまいます。
なので、ある程度の厚さがあるものを選ぶ必要があります。
Tシャツの厚さはoz(オンス)で表されます。
厳密にはozは重さの単位で、生地が違えば厚さも違うのでサンプルを見て決めるのが一番良いですが、時間が無ければozだけ見て決めても大丈夫だと思います。
ボディの選定についてはスタッフの @sassymanyuichi さんが複数のショップからサンプルを取り寄せてくれて、スタッフで集まって比べて決めました。
その時の感想としては「4.0ozは明らかにマズい」「5.0ozを超えてれば大丈夫そう」でした。
これからTシャツを作る様な方は、時間があればサンプルを取り寄せて比較、時間が無ければ5.0oz以上で選ぶのが良いと思います。
iOSDC Japan 2016では参加者の区分ごとに色を分けて提供しましたが、複数色作りたい場合は色のバリエーションが多いボディを選ぶと良いでしょう。
iOSDC Japan 2016ではロビンファクトリーというショップにお願いし、ボディは「Printstar ヘビーウェイトTシャツ」(5.6oz)を選びました。
何をどこに印刷するか
ボディが決まったら印刷のことを考えます。
ショップによって違いますが、印刷可能な場所は一番多くて、前面、背面、両腕、です。
それぞれ印刷可能範囲があるのが普通で、「前面と背面がつながっている」様なデザインは標準的な選択肢には入らないと思います。
印刷方法は、「シルクスクリーン(シルク)」か「インクジェット(転写)」の2択でしょう。
シルクは、Tシャツの上に型を置いて塗料を塗りつける様な印刷方法です。
色数に制限がありますが、コントラストがはっきりした見た目になります。
iOSDC Japan 2016のTシャツはシルク1色です。色数を増やすこともできますが、プリント費が上がるであるとか、ボディの色のバリエーションを作る時に全ての色にマッチする色を決めるのが難しいことから白の1色を選びました。
一方、インクジェットは印刷したフィルムを貼り付ける様な印刷方法です。
色はたくさん使えるのですが、シルク印刷と比べると印刷面がビニールっぽい見た目になります。
iOSDC Japan 2016では、シルク印刷とインクジェット印刷の両方でサンプルを作って比較しました。
この写真は、白黒のシルク印刷の比較のために作ったサンプルです。
サイズの分布をどうするか
ボディと印刷が決まったら、あとはサイズですね。
iOSDC Japan 2016では基本的に参加者全員にサイズを聞いて、予備をサイズごとに10%ほど加えた枚数を発注しました。
発注数はこんな感じ。
S | M | L | XL | XXL |
---|---|---|---|---|
76 | 265 | 200 | 59 | 18 |
(スポンサー向けにはS, M, Lのセットを配布したので実際にはもっと作っています。)
全員に聞くのは設計が難しいので、「えいや」で決めた比率で注文しておいて、最初から「Tシャツのサイズは先着順です」のも良いかな、とは思います。
発注
Tシャツはどのショップでも比較的短納期で、それほど注意する必要はありません。
上記のロビンファクトリーでは「約10日~2週間程度となります。3日~7日位でご納品が可能な場合も」となっています。
ただ、Tシャツって意外と重くてかさばるので、受け取りには注意が必要です。
iOSDC Japan 2016では、Tシャツを732枚作っていますが、段ボール10箱ほどになっていました。
この枚数だとスケールメリットが効いて、プリント代などをならして650円/1枚前後の単価になりました。
パーカー
iOSDC Japan 2016ではパーカーも製作しました。
こちらは、上からかぶるタイプ、前にジッパーがあるタイプ、ポケットの形、等々、選択肢がTシャツより多いです。
iOSDC Japan 2016ではUnited Athleの10.0オンスのものを選びました。
スペックとしては「綿100% / 裏パイル」というもの。
Tシャツの経験から「厚ければ厚いほどいいだろう」というイメージだったのですが、実は、この厚さになると相当暖かく、真冬向きのパーカーになりました。春秋に着ると暑い!という感じ。
次に作る時はもう少し薄くして春秋用にしよう、と思いました。
こちらは2,100円/1枚ほどでした。
という訳でTシャツ & パーカーのお話でした。
余談
iOSDC Japan 2016 では長谷川のビジネスパートナーのデザイナさんに紙やモノのデザインをお願いしました。
このデザイナさんにはTシャツのサンプル比較の会にも参加して頂いたのですが、その場に印刷の雰囲気を知るためのモノを持参頂きました。
紙に想定デザインを印刷して切り抜いたものなのですが、それをTシャツの上に置きながら「これが原寸大なんですけど…」って言われてその場に居た一同驚愕 & 納得。
ふだんiOS開発で複数サイズのデバイスを扱っていてデバイス側でスケーリングされることが当たり前の経験をしていると「原寸大」というワードが強烈で、「Illustrator / Photoshopの単位がデフォルトcmで『わかりにくいわ!』って思ってたけどリアルに落とすには重要なんだなあ」と思ったりしました。
納得と言えばもう1つ。
iOSDC Japan 2016ではTシャツを5色(スポンサー, スピーカー, 個人スポンサー, 一般, スタッフ)作る予定でした。
その色を選ぶ必要があり、スタッフで色を見ながらあーだこーだ言っていたところに、デザイナさんが「考えてきたんです」って提案してくださって。
わかりますか?
これ、iOSDC Japan 2016のロゴに使われている色なんですね。
スタッフ一同、納得。その場でこの5色に決定したのでした。