ビギナーのためのカートガイド

ここ数年参加している大会の記事を書いたら、初参加のひとに説明するのがラクで味をしめたので今回は「カートの走り方」です。

とは言っても長谷川も修行中の身。「脱・初心者の」ぐらいのキモチで読んで戴ければ幸甚。
そして間違いや不足があったら是非ご指摘ください。加筆修正して良い資料にしたいと思ってます。

さて、この後でその理由含めて出てきますが、以下の3点は重要なので先に書いておきます。

  • ピットからコースに出る時、コースからピットに入るときは右手を大きくあげて後続車に合図をする。
  • スピンしてしまった時は両手を大きく振って後続車に合図をする。
  • ブレーキを踏むときはステアリングをまっすぐにする。

マナーと運転技術がごっちゃになっていますが、とにもかくにもこれだけは覚えて、実行してください。

カート基礎知識

カートはこんな形をしたシンプルな車両です。

N35-X

カートの操作はステアリング(ハンドル)、アクセルとブレーキだけで行います。

ギアチェンジはありません。アクセルを踏めば進むし、ブレーキを踏めば止まります。

左足のペダルがブレーキ、右足のペダルがアクセルです。

Enjoy / Challenge CUPで使用している仕様の場合、一番スピードが出るところで時速60kmぐらい出ます。
速度的には大したことは無いのですが地面から近い位置に乗って走ることや、コーナーでの回転半径が小さくかなり遠心力(G)がかかることから、ぱっと見より体力を使う「スポーツ」です。(15分乗ると軽く息が上がるぐらいの運動になります。)

後述の通りカートはよくスピンしますが、横転など、それ以上の事故が起きることはまれです。
ルールに従って、正しく乗っていればとても安全で楽しいスポーツになります。

(写真はbirel公式ページから引用しています。)


レースのマナー

カートレースは複数のカートが1つのコースを走ります。
公道をクルマで走るのに交通ルールがある様にサーキットにもサーキットのルールがあります。
はじめてカートに乗る方がまず気にすべきことは以下です。

  • ピットからコースに出る時、コースからピットに入るときは右手を大きく挙げて後続車に合図をする。
  • スピンしてしまった時は両手を大きく振って後続車に合図をする。

カートは視線が低いので意外と遠くが見えません。低速でコースに出るとき、低速になってピットに入る時、スピンして停止している時と追突されると困る時には大きく合図をしましょう。

  • 接触は御法度

レースをしているとブレーキングポイントの違いやレーシングラインの違いでカートが接触してしまうことはままあります。

お互いが接触を避けようと努力した上で接触してしまうのであればレーシングアクシデントとして仕方ないのですが、相手のカートを抜くときにわざとぶつけて抜くであるとか、横を走って抜かれそうになった時に幅寄せをしてコース外に押し出すであるとか、わざと接触する様なドライビングは御法度です。

カートはスピン以上の大きな事故になることはあまりありませんが、まれにカートが宙を舞ったり、ひっくり返ったりします。この様な大事故は接触が原因になっていることが非常に多いです。特にタイヤどうしが触れるとこの様な大事故が発生する可能性が高くなります。

抜かれるのは自分が遅いからであってその怒りを相手に向けず自分の腕に向け、上手になりましょう。そっちの方がカッコいいですね!

そして万が一接触してしまった時は手を上げて「ごめんなさい」の合図をしましょう。また接触の結果相手がスピンしてしまった、などの場合は出来るだけカーナンバーを覚えてカートを降りてから「ごめんなさい」を言いに行きましょう。本当にこれだけで気持ちよく走ることができます。

  • 他車は強敵(とも)

一緒に走っている人たちはレースの中ではライバルですが、同じイベントに参加して楽しんでいるという意味では仲間です。
抜かれたり、カートが接触しその結果スピンすれば悔しいですがその相手は仲間です。
抜かれるのは自分が遅いからだし接触するのはわざとではありません。それにそもそも自分が速ければ接触もしないです。

楽しく集合し、楽しくレースをし、楽しく帰りたいですよね。
そのためには一緒に走っている人たちは仲間である、という気持ちを常に持ち敬意を払ってレースをしましょう!

速く走るために

速く走るための方法はいろいろあります。

ただ、初心者のうちはスピンを減らすことが速く走るためのファストパスです。
なにしろ1回スピンをすれば10秒は失ってしまいます。これ、10週に1回スピンするとしたら1週あたり1秒です。ドライビングテクニックで毎週1秒縮めるのは大変ですがスピンは注意すればほぼゼロにできます。

という訳で、スピンを防ぐ方法です。

カートは限界を超えた走行をするとすぐにスピンします。
特に初心者の場合スピンには3つの原因があります。ひとまずは以下の3つだけ気にしておくと良いと思います。

1. ステアリングを切った状態でのブレーキングによるスピン

カートはブレーキを踏むときにステアリングが少しでも切られた状態(ハンドルが少しでも回された状態)になっているとすぐにスピンしてしまいます。
カートに乗って少し慣れてきた頃に、タイムを上げようとコーナーでの操作を急ぎ、ブレーキを踏んだ状態でコーナリングを開始してしまいスピンする、という発生パターンです。

前にも書きましたが、ブレーキを踏むときはステアリングをまっすぐに!がこれを防ぐコツです。

2. オーバースピードでのコーナー進入によるスピン

コーナー進入の際にスピードを出しすぎてリアタイヤが遠心力に負けて外側に流れてしまう形のスピンです。
慣れてくるとリアが流れた瞬間に対処できるのですが最初はクルクル回ってしまいます。

対策としては「コーナーごとに進入の速度の限界を少しずつ探っていく」ことにつきます。

3. タイヤロックによるスピン

ストレート(直線)走行中、次のコーナーに備えてブレーキをいっぱいに踏み込んで0.5~1秒後ぐらいにリアがプルプルと震えだし不安定になります。そしてそれでもブレーキを踏みっぱなしにした状態にしていると突然カートはスピンしてしまいます。また、1.の様にステアリングが切られているとより早くスピンが発生します。

これはブレーキをかけ続けることでリアタイアが完全に停止(ロック)し、横に滑ってしまうことが原因です。

タイヤは回っていれば前に進むのですが止まってしまうとどの向きにも滑って進んでしまうのですね。そしてカートはリアにしかブレーキが無いのでリアだけロックし、滑り、スピンしてしまうという訳です。

ブレーキロックの感覚は最初はまったく分からず、しかもスピンが突然来るのでビックリすると思います。

初めてカートに乗る時は数周して慣れてきたらストレートで後続車が無いことを確認して一度一気に止まるかスピンするまでブレーキを踏んでみることをオススメします。

そしてブレーキを緩めればリアは安定するのでタイヤロックしたらブレーキを少し緩めてリアタイヤが転がる様にしてあげることができるとブレーキング時のタイヤロックによるスピンは克服できます。

まとめ

という訳で初めてカートに乗る方のためのガイドでした。
改めて最重要事項のまとめです。

  • ピットからコースに出る時、コースからピットに入るときは右手を大きく挙げて後続車に合図をする。
  • スピンしてしまった時は両手を大きく振って後続車に合図をする。
  • ブレーキを踏むときはステアリングをまっすぐにする。

楽しいカートライフを!
そしてカートに興味を持った方!長谷川までご連絡を!
楽しい楽しいレースイベントに一緒に行きましょう!

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