AppStoreリジェクトランキング 2015年4月版

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AppStoreのアプリ審査リジェクトで多い理由のトップ10ランキングがAppleから公開されています。
トップ10まででリジェクト全体の約50%を占めるそうです。

Top 10 reasons for app rejections during the 7‑day period ending April 20, 2015.
https://developer.apple.com/app-store/review/rejections/

このランキングではガイドラインの条項をメインに一覧にしていますが、これ、条項だけだとわかりにくいんですよね。

デジタルサーカス株式会社での案件、iPhoneアプリ制作ツール(無料) アプリビルダーや、長谷川個人の経験から「こんな時に発生するよ」という事例のご紹介です。

10位 アプリ説明とアプリ実装の不一致

2% Guideline 3.3: Apps with names, descriptions, screenshots, or previews not relevant to the content and functionality of the App will be rejected

ガイドライン 3.3: アプリの名前、説明文、スクリーンショット、プレビューがアプリの内容や機能と一致していないアプリはリジェクト。

説明と実際のアプリの内容の不一致によるリジェクトですが、説明文に書いてあるのに実装されていない、説明文に無いのに実装されている、の両方で適用されます。つまり、AppStoreで公開するアプリに「隠し機能」は許されていません。

ただ、これは「懐中電灯アプリだけど実はテザリングアプリ」みたいなアプリに対する条項で、カワイイちょっとした小技、みたいなものを禁止する目的では無いと思います。(が、当然、リジェクトの可能性はありますね。)

9位 虚偽、欺し、誤解を招く

2% Guideline 22.2: Apps that contain false, fraudulent or misleading representations or use names or icons similar to other Apps will be rejected

ガイドライン 22.2: 虚偽、人を欺す、誤解を招く表現を含むアプリ、他のアプリと似た名前やアイコンを持つアプリはリジェクトされる。

ガイドライン文章どおりの内容なのですが、何らかのコンテンツに関連するアプリを作った時にそのコンテンツの名前をアプリ名に含めるとこの条項でリジェクトされます。この場合、「他にこういう名前にしなさいよ」というサジェストがもらえます。

世の中に「なんたら for ○○」とか「なんたら ○○ edition」というアプリが多いのはこういうこと言われているからなんですねー。日本人から見ると「変った名前だなー」となりますよね。

8位 不適切なレーティング

3% Guideline 3.8: Developers are responsible for assigning appropriate ratings to their Apps. Inappropriate ratings may be changed/deleted by Apple

ガイドライン 3.8: デベロッパはアプリのレーティングを適切に設定する必要がある。不適切なレーティングはアップルが修正することがある。

アプリのレーティングが適切に設定されていない場合のリジェクトですね。
注意すべきはお酒とエロ。特にエロです。

長谷川は「有無については大きめに(=ちょっとでもあれば「あり」)」「程度(まれ/軽度, 頻繁/頻度)は少なめに」ぐらいの方針で申告しています。

7位 デベロッパ規約違反

3% Did not comply with terms in the iOS Developer Program License Agreement

iOSデベロッパプログラム規約に違反している

これは見たことが無いです。27.1に、iOSデベロッパプログラム規約への参照があるのでそれの違反かもしれません。ただ、これ、HealthKit関連なのでトップ10に入る理由になるとは考えにくいのですが…。

6位 他のプラットフォームへの言及

3% Guideline 3.1: Apps or metadata that mentions the name of any other mobile platform will be rejected

ガイドライン3.1: アプリやメタデータ(タイトルや説明文など)で他のモバイルプラットフォーム名に言及するアプリはリジェクト。

これも見たことが無いのですが、おそらく「Android風ランチャー」とか「Windowsからの移植」とか「Android版はこちら」とか書くとリジェクトされるのでしょうね。

5位 AppStoreのアプリ名が不適切

3% Guideline 3.4: App names in iTunes Connect and as displayed on a device should be similar, so as not to cause confusion

ガイドライン 3.4: iTunes Connectのアプリ名とiOS上で表示されるアプリ名は混乱を起こさない様に似た名前になっている必要がある。

ガイドラインからはわかりにくいのですが、AppStoreで良く見る「アプリ名 ~ 売り文句売り文句売り文句売り文句キーワードキーワード」みたいな名前に対するリジェクトです。

この項目でリジェクトされる場合、コメントで「AppStoreのタイトルにキーワードを入れない様にね。」と添えられるはずです。

4位 落ちる

3% Guideline 2.1: Apps that crash will be rejected

ガイドライン 2.1: 落ちるアプリはリジェクトされる

これもわかりやすいですね。落ちるアプリはリジェクトです。

ただ、これを指摘されて、何度試しても再現さいない、という様な時に、「いろいろ調べたんだけど再現しないんだ。落ちたシチュエーションと操作を教えて貰える?(を英語で)」と伝えたらそのまま審査通過したことがありました。

アップルのレビュアーは結構ちゃんと見てくれます。レビューのリジェクトは説明不足や理解不足によって発生することも多いので「困ったなー」と思ったらレビュアーに相談するのも良い方法です。

3位 イケてない

6% Guideline 10.6: Apple and our customers place a high value on simple, refined, creative, well thought through interfaces. They take more work but are worth it. Apple sets a high bar. If your user interface is complex or less than very good, it may be rejected

ガイドライン 10.6: アップルとそのカスタマーはシンプルで洗練され、創造性に富んだよく考えられたインタフェイスを高く評価する。これには多くの仕事が必要だがその価値はある。アップルの基準は高い。もしアプリのユーザインタフェイスが複雑だったり、最良でない場合、リジェクトされることがある。

アップルから見て「イケてないよね」というアプリに下されるリジェクトです。(大抵そういうアプリは誰から見ても「イマイチ」だと思いますが。)

この10.6はある意味最強でして、これを一度もらってしまうとそこからの挽回は大変難しいです。

一番よくあるのは起動するとすぐWebViewになってほぼ全ての画面がWebベースになっている、いわゆるガワアプリ(皮アプリ)。これはほぼ10.6でリジェクトされます。長谷川は経験が無いですが、一発ネタ、みたいなアプリも10.6との戦いになるのではないかと思います。

2位 バグがある

11% Guideline 2.2: Apps that exhibit bugs will be rejected

ガイドライン 2.2: バグのあるアプリはリジェクトされる。

アプリにバグがある場合です。これはシンプルですね。
これに関連して以下の様な項目もあります。どうもレビュアーはiPhone向けのアプリでもiPadを使って審査している様で、長谷川もiPadでiPhoneアプリを拡大表示した場合の不備について指摘されたことが複数回あります。これは、「画像の表示位置がちょっとずれて画像上部が切れてる」みたいな指摘までされます。

Guideline 2.10 iPhone Apps must also run on iPad without modification, at iPhone resolution, and at 2X iPhone 3GS resolution

ガイドライン 2.10: iPhoneアプリはそのままiPad上の等倍表示、拡大表示でも動作しなければならない。

1位 もっと情報が必要

13% More information needed

もっと情報が必要

レビューががレビューをする際に、どう見て良いかわからない場合の定型句です。会員制のアプリで起動するとすぐにログインID・パスワード入力画面になり、新規登録が出来ない様な場合です。

先にも書きましたが、Appleのレビューアは結構一生懸命にアプリを見てくれますが諦めは早いです。

このリジェクトの場合、Metadata Reject(アプリ情報のみのリジェクト)となり、返事を返すだけでそのまま審査が進行することもありますが、原則もう1回レビュー待ちになって1週間ロスすることになります。


と言う訳で1位は「ザ・コミュニケーション不足」みたいなアレでしたね。
わかってることは気をつけて、レビューアもラク、自分たちもアプリが早くリリースできて嬉しい、というWin-Winな関係を作りましょう!