ブックレビュー: 藤田晋の仕事学

最近長谷川の中で赤丸急上昇のビジネスパーソン、サイバーエージェント藤田社長の本。

ちょっと前までは「お名前は存じ上げております」ぐらいの存在だったのだけどひょんな機会で生の声を聞き一発でやられてしまいました。
あるコミュニティサービスに対するコメントだったのだけど、コミュニティサイトがライフワークと思っている自分のハートを持って行くには一発のコメントでね。

ということで、いっちょ本でも読んでみようかと数冊買ったうちの1冊。

ターゲットはまさにサイバーエージェントに新卒または第二新卒ぐらいで入った様な人がメインです。

藤田さんが新卒で就職した会社での話。
新卒の同期の中で藤田さんが好成績をあげたことに対して同期から「藤田は経験があってずるい」と言われたというエピソードで、同期曰く藤田さんが学生時代に営業職のアルバイトをしていたことからの発言なのだけど、これに対して以下の様に丁寧に説明しています。

「ずるい」という言葉が同期から出てきたのは、彼はみんな最初は平等だ、一緒だと思っていたからでしょう。でも、本当は同じように見えて同じではないのです。同じだと思っていたら、簡単に差をつけられてしまう。

「ずるい」という言葉って本当にそこかしこで聞くのだけどそのほとんどはお門違いだなあ、と思っていて、自分だったら「アホか。」で片付けるところを丁寧に拾っているところが素敵ですね。

自分に刺さったという意味では以下のくだり。本当にその通りだと思うし、デジタルサーカスのメンバにも肝に銘じて欲しいと思ったところ。

効率よりも場数が能力を決める。

これは、本当にその通りで、自分も「2001年新卒」の中ではかなり成長している方だと思います。
今でも毎年「去年の自分には絶対負けない」と思って生きています。これはやはり毎年常に「今回が一番キツい」と思えるプロジェクトに関わっているからだろうと思っています。

デジタルサーカスの仕事は全体的に「良い仕事」だと思っています。苦行の様な工夫の余地の無い(工夫することを許されない)単純作業や、敗北が決定している戦場の様なものは本当に少ないですし、常にそうする様に長谷川は動いています。なのでデジタルサーカスのメンバたちはどの仕事も自分を成長させると思って仕事に当たって欲しいなあ、と思っています。

ビジネスの場では若さを隠せ

これもすごく同意でした。

自分は20代の頃から自分1人でお客さまとタフな交渉をする機会を与えられて「これが後ろに誰も居ない戦いか。」と大変ビビりました。(本当は社長がいるんだけどね!!)

そんな場で若いことがコンプレックスで、年寄りに見えるかとひげをはやしてみました。
今考えるとビジネスマンとしてそれはどうよ、というのもあるのですが自分にしてみると仮面の様なものでこれによって平静を保つことができました。

今はほんとの年寄りになったので不要なのですがきっかけがなくそのままです。一度妻のご両親にお会いする時に剃ったのですが今思えばそこがひげ卒業のチャンスだったのかもしれません。

藤田社長はこの章で以下の様に語っています。

ほかにも、大人びて見えるよう、話し方や外見を変えました。最も効果的なのは、多くを語らないようにすることです。調子に乗ってベラベラとしゃべると馬脚を現すというか、経験の浅さが出やすい。

なるほどなあ、と。自分も似たようなことをしていて、自分の場合はできるだけゆっくり話すようにしました。

これは長谷川のデジタルサーカス社長の田口に並ぶビジネス上の師匠である飯沼さんという方から「長谷川くん軽いなー」と言われたことを5年越しぐらいにようやく理解して、というのもあるのですが。

ゆっくり話すと結果的に多くを語れなくなるので同じことをしているのかもしれません。

その上ゆっくり話すと話している間に相手の反応を見ながらその先に話すことを変えられたり、すぐには答えが思いつかない状態でもとりあえず話し始めて話しながら考えるとか最初は気付かなかったメリットも多々あって。

喋っている内容は同じでも「えーと。(沈黙)。ベラベラベラ。」と喋っているより同じリズムで話した方が安心感も与えられますよね。

目的がぶれなければ交渉は負けない

とまあ前述の通り、「だよねえ」と思うことの多い本書だったのだけど、目から鱗の「なるほど!」もありました。「目的がぶれなければ交渉は負けない」の章で「一枚上手の人に関しては交渉自体を避けるべきです。」と。わはは、なるほどね!と。

まあそうはいかないことも多いですがそこまで広く選択肢を持っておきたいですね。

後半はいかに仕事を楽しむか、そもそも仕事とは人生にとってどういうものか、というお話になっています。

長谷川もデジタルサーカスで面談をする時に特に新卒の人に向けて、「僕は会社で13時間コンピュータに触れ、家に帰ってから寝る時間をギリギリまで削って息抜きのために趣味のプログラムを作ります。あなたはこれからコンピュータを仕事にすることになるけど、こういう人と戦うことになるんですよ。」という話をしています。

こういう状態では正直、「家に帰ってまでパソコンを見たくない」とか「土日はパソコンを離れてリフレッシュします」とかいう人には負ける気がしないです。

もちろん、「脳を弛緩させるタイミング」は必要なのだけど、家に帰ったら忘れなければいけない、忘れたい、土日にまで考えていたくない様なフィールドを仕事にするのは本書の言葉を借りて言うなら「人生の無駄」だと思います。(って書いてあったように思うのだけどざっと見返しても見つからず、幻だったらごめんなさい。)

ちなみに「麻雀はビジネスのセンスを磨ける」という章があるのですが、これについては「わはは、そうですか。是非一度お手合わせを。」という印象。(笑) 麻雀ネタは他にも数カ所見受けられ、お好きなんでしょうね。

この本の内容はこの本から3年後の今、藤田さんが仰っている内容や社内体制にも残っています。
そういう意味でおそらく彼の本音・コアの部分が多分に含まれていると思います。まさに本書で言う

著者が渾身の力を込めて書いたビジネス書などは、その人の経験がぎっしり詰まっています。読むだけで、それをそっくりそのまま利用できる時もあります。1冊1,500円のビジネス書で、一生モノのスキルを得られるわけです。

ということですね。

という訳で久しぶりに長谷川レーティングをつけると、
★★★★☆
って感じでしょうか。

会社の本棚に置いておくので若手メンバーおよび自称若手メンバーは読むように!1日で読めるよ!